私が税理士として独立開業するにあたって、先に独立開業された先輩税理士の方々や、会計事務所の開業に特化したコンサル関係の方の本をたくさん読み漁りました。
税理士でも、いろいろとその方の考え方や方針など様々です。その中で自分に考え方が近いか自分も実行できるかどうかは別として、それぞれたいへん参考になります。
その中で、ある会計事務所に特化して実績のあると言われている、あるグループが出されている本の、一部の記載内容には、びっくりしました。
どの程度の開業資金が必要であるか、説明されているページです。
なんと、開業初年度の1年間の必要資金の合計が、6,140,000円(!)と試算されています。
しかも、最初から採用費用や人件費が見積もられていて、そんなに仕事がまだない1年目から、人件費が発生するでしょうか?
確かに最初から大規模税理士事務所を掲げて開業する場合はこれくらい、いやもっと必要でしょう・・・
しかし、前の勤務先から顧客の大半を引き継いだとか、大口の顧客を契約することができたとか、開業初年度にこのような大きな売上が見込める方はおそらくまれでしょう。
ほとんどの方は最初は最低限の経費でスタートし、徐々にお客様が増えてきたところでもう少し費用をかけていく、人も雇っていく、というのが普通ではないでしょうか・・・
私の場合も、開業費用は、パソコン、会計ソフト一式、複合機、看板、その他事務用品もろもろ合わせても、100万円以内でした。他の先輩税理士の方にお聞きしたときもそれ位でした。
実際は会計ソフト会社から、ソフト他一式で200万円程度のリースを進められましたが、同じ会社の物でも、今はお金を掛けずに導入できる方式も用意されています。
自宅開業の場合は家賃や敷金等も不要です。また、地方の場合は車は必須ですが、自家用の車で併用できます。
人それぞれ考え方はあると思いますが、私の場合はお客様に来ていただくより、私が出かけていく方がほとんどです。そんなに立派な事務所は必要ありません。もちろんいらした時に最低限の清潔感はあるように心がけていますが。
士業に特化したコンサルの書かれた本もたくさん出ていますが、参考になる部分ももちろん多くあります。でもすべては信用しない方がいいような気がします。
できれば同じ士業の方が書かれたものの方が、その方の実体験ですし、より信頼できるでしょう。