新型コロナウイルスの影響により、現状、税務調査はどうなっているのでしょうか。
おそらく、従前よりは、直接会社や個人宅へ訪問しての実地調査は控えているのかもしれません。そのような情報を聞いたわけではありませんが、国税庁のHPに、全国各地の国税の職員の方が感染したとの情報がたびたびUPされているので、どう考えても、実地調査はやりにくいのではないでしょうか。
税務署の方の感染が特に多いというより、それだけ感染が全国的に、いろいろな人に拡大しているのでしょう。
では、税務調査が来ないから、大丈夫と考えてはだめです。実地調査はできなくても、内部での調査はみっちり行っているはず(想像ですが・・・)
今まで通り、きちんとやっておきましょう。
そこで、相続税の申告事績、相続税の調査の状況が国税庁から発表されているのでご紹介します。
平成30年のデータです。
平成30年の被相続人数(亡くなられた方の数)は全国で1,362,470人、そのうち相続税の納税があった被相続人数は116,341人、8.5%です。1件当たりの課税価格は約1億4千万円。相続税額は約1千8百万円。
改正後は、亡くなった方の8.5%に相続税が課されていますから、結構多い数字です。
おそらく大都市圏と地方都市では割合は多少異なるかもしれませんが・・・
また、平成30年の相続税の実地調査は、平成28年に発生した相続を中心に、12,463件行われました。そのうち申告漏れ等の非違があった件数は10,684件、実に85.7%にのぼります。
つまり、調査が入ると、ほぼ修正申告・納税になってしまうということです。当然追徴税額が課税されます。
申告漏れ相続財産は、金額が多い順番に、現預金が最多、次に土地、有価証券の順です。
申告漏れでやはり多いのは、被相続人以外の名義で開設された預金や保険など。また相続人が亡くなる前に勝手に被相続人の口座から私的に引き出している金銭など、でしょうか。
いわゆる名義預金や生前贈与にまつわるお金は、きちんと整理をしておきましょう。
ー追記(2020.10.8)ー
税務調査は、9月23日より、税務調査の事前通知が開始されたそうです。その際、十分に感染対策をし、納税者に了解を得たうえで、実地調査を行うということでした。