先日、たまたまテレビをつけたら、参議院予算委員会の中継が放送されていました。
ふだん、あまり積極的には見ない方ですが(関心を持たないといけませんが・・・)ある議員が、賃上げ促進税制の利用率は?と質問していたので、税理士に関わることです。しばらく聞いていました。
それに対して経産省の担当者の回答は、直近の年度で5%を切っている数字で、びっくりしました。
「賃上げ促進税制」とは、会社が、雇用者の給与を前年と比べて1.5%増加した場合、その増加額の15%を法人税から控除するというものです。さらに、給与が2.5%増加した場合は15%を追加で控除、教育訓練費の額が前年より10%増加した場合は、さらに法人税額からの控除額を10%追加で控除できるというものです。
一見、大盤振る舞いのようですが、意外に適用できる中小企業は少なく、効果がでてないようですね。
この制度、平成25年くらいから確かスタートしたのですが、私の当時の経験上、結構適用する顧客の企業は多かったです。当時の制度は非常に複雑で計算も大変でしたが、徐々に簡素化されて、現状はやりやすくはなっているのですが、適用企業は意外に少ないんですね。
私の顧問先企業様においては、各従業員さんの給与は賃上げの努力をされています。ところが、近年の人手不足による人材流出や募集しても集まらないなど、給与合計では減少してしまう状況です。また、DX化を進めたために、効率化が進み、一人一人の給与は増加していても、人件費合計では減少してしまうのです。
この税制では、使い勝手だけを重視しているために、人件費合計で〇%増加したという点だけで適用されるため、中小企業には現実的ではないのです。